DYNASTY OFFICIAL· 2026.05.20
Quantum Stabilizerシリーズ開発秘話
執筆: DYNASTY 開発チーム

スタビライザーは「ブレを消す道具」ではなく「狙いを邪魔しない道具」。Quantum シリーズが行き着いた設計思想を開発者が語ります。
スタビライザーの役割は、見た目以上に奥深いものです。一般には「弓のブレを抑えるおもり」と思われがちですが、本当の仕事は三つあります。重心を下げて弓を立ちやすくすること、リリースの瞬間に生まれるねじれ(トルク)を抑えること、そして発射後の振動を素早く、素直に収束させることです。
Quantum Stabilizer シリーズの開発は、トップ選手の「あと一歩、狙いがまとまり切らない」という声から始まりました。私たちがまず向き合ったのは、剛性と振動吸収という相反する要素のバランスです。ロッドが硬すぎれば衝撃が押し手に残り、柔らかすぎれば復元が遅れてエイミング中に狙いが流れる。カーボンの積層構成を何度も組み替え、先端ダンパーの硬度を細かく刻みながら、最適点を探していきました。
到達したのは、芯材に高弾性カーボンを用い、先端側の振動吸収層だけを厚くする考え方です。手元に伝わる微振動を抑えながら、フルドローでの静止と、リリース後のサイトピンの素直な戻りを両立させること。これが Quantum の狙いでした。
70m を撃ち切る集中力は、機材が「いつもと同じ」であってこそ保てます。アーチャーの狙いを邪魔しないこと——それが Quantum Stabilizer の設計思想です。
